
今村洋平さんとは
1978年福岡県生まれ
神奈川を拠点に活動されています
今年2019年2月9日〜3月21日に藤沢市藤沢市アートスペースで開催された『点と線の宇宙』展に足を運んだ人は、記憶に新しいかもしれません。
シルクスクリーンの手法を用いて制作しています。シルクスクリーンというと、Tシャツの印刷を思い浮かべる人も多いと思います。
でも今村さんの作品は、まるで彫刻。
インクの厚みは、およそ0.015ミリ。それを、1万回とか繰り返して、立体にしていくのです。
今村洋平さんのことがよく分かる動画はこちら
Yohei Imamura longversion with subtitle
トリエンナーレで観られる作品
《tsurugi No.1》2016
富山県に実際にある山、「剱岳」をモチーフにしています。剱岳は今村さんにとっていちばん馴染みのある山で、何度も登っているそう。地形図の等高線を利用して、一層ずつ重ねていきます。今村さんいわく、”山登りよりキツくて、時間のかかる作業です…でも、達成感も、山登りに近いものがある”
そしてもうひとつ、山を取り囲む壁のような部分は、その時その時の偶然に任せて作成しているそうです。
穴ができてみたり、塞がってみたり…
今村さんも、その”偶然”をモチベーションにして作成しているところもあるとか。
≪peak 3601≫2019
143cm四方の大作(ある意味、今村さんの作品は全て大作ですが…)です。
カラフルなインクを使って、小さな点(よく見ると点じゃなくて丸っぽい長方形みたいなかたち)で構成された立体模様。実物を見ると、息を呑みます…
こぼれ話
シルクスクリーンに出会う前は、BB弾を平面にひたすら並べていく作品を制作していたという今村さん。その細かい点の集合を、シルクスクリーンの手法で表現しようとしたのがはじまりだそうです。
トリエンナーレの様子レポ
カチャ、スー、コトン…白く開放感のある部屋に、作業の音が響き渡ります。スクリーンに映し出されているのは、作業部屋と、その中で制作をする今村洋平さんの姿。スクリーンの横には、実際に使っていたと思われる装置もあります。会場にいながら、今村さんの作業部屋にお邪魔しているような感覚にれるかも。
スクリーンでは作品がアップで映されるので、大きな作品という印象を受けるかもしれません。
が、実物は驚くほどに繊細です。(それでいて、私はダイナミックな印象を受けました)
まとめ
細やかな作品ですが、何かを縮小しているというよりは、”肉眼でとらえられない事象を拡大して見せてくれている”ような感覚になりました。
≪tsurugi≫は、剱岳を偶然の産物でできた壁が囲んでいます。巨大な剱岳の を”縮小”した造形と、目に見えない粒子の偶然のふるまいを”拡大”した造形…それが同居していて興味深いなぁと…そんなふうに感じたのであります。
物理の本に書かれていた、「世の中にあるすべてのものは、”粒子”で構成されている」というのを思い出しました。
淡々とした今村さんの制作風景も、自然の営みに通づるものを感じます。
ぜひ、肉眼でたしかめてみてください
・・・Gallery・・・・・・・・・・・・
息子が触らないように見張りながらなので写真をあまり撮れませんでしたのですが、
どうぞご覧ください♪


