[レポート]あいちトリエンナーレ2019に子連れで行ってきたお話 ⑥ 〜エキソニモ編〜

exonemo

ご覧いただいてありがとうございます!

3歳のこどもに親育てしていただいています、ハパともうします。ちなみに「ハパ」というのはハワイの言葉で「半分」という意味だそうです

今回は、会場の入り口にドーンとそびえ立つ作品《The Kiss》をつくったエキソニモさん編です!ちなみに今回のレポは”子連れ”要素が全然ないです…普通に鑑賞しております…!!

それでは、はりきってどうぞ!←

エキソニモについて

千房けん輔さんと赤岩やえさんによる日本のアート・ユニットです。1996年に結成され、20年にわたり日本のメディア・アートを牽引してきました。現在はニューヨークを拠点に活動されています。

ちなみに大学では、赤岩さんは彫刻で、千房はデザインを学ばれていたそう
お互いの役割分担については、こう話されています。

とくに決めているわけではないのですが、それぞれ持っている技術も感覚も違うので、作品によって自然と分担が決まっていきますね。

https://bijutsutecho.com/magazine/interview/20221

これまでの作品

I randomly hate you/love you≫(2018)

壁面に2つ、スマホのような大きい画面が並んでいる。画面には、チャットの吹き出しが並ぶ。ひとつは、色々な「hate you」を送信する側の画面。ひとつは、色々な「love you」を送信する側の画面。

そして、床はおびただしい量のコードで埋め尽くされている

↓↓↓作品はコチラで見れます
http://exonemo.com/works/?ja

Kiss, or Dual Monitor≫(2017)

ななめに重なった二つの大きな画面。それぞれの画面に映し出されているのは、目をつぶった人の顔。口元が重なっているので、キスしているようにみえる。
キス、あるいは二つの画面。

今回のあいちトリエンナーレ2019で展示されている≪The Kiss≫の旧作という位置付けです。ぜひ合わせて知っておきたいですね!

↓↓↓作品を見られる動画はこちら

exonemo – Kiss, or Dual Monitors (2017)

あいちトリエンナーレで展示中の作品

The Kiss≫(2019)

先ほど紹介した≪Kiss, or Dual Monitor≫を、3Dプリントでつくられた巨大な手が持っているという作品。

ちなみにこの作品についての千房さんのツイートがこちらです

現地レポ

さてさて、ここからが私の感想になります。
まず、きっと多くの人が思ったように私も「キスだ…!」と思いました。

旧作の題名から”or Dual Monitor”が消えていることと、作品に”手”が現れたことはリンクしている気がします。手が現れたことで、より生身の肉体が意識されて、キスにみえるのではないかと。

でも、だからこそ「でも、ふたつの画面なんだよな..」という思いも強く感じました。(でも多いな)

答えを伏せられることで、自分で想起するしかなくなるのですが、きっとその方が強く心に残るんじゃないかと思います。

そこから、色んな思いがうずまくうずまく!

確かに、キスを表現してはいるけど、決してキスではない…
そこに肉体はないんですよね。肉体として表現されているのは”手”ですが、その手はあくまで「(スマホ)画面を持つ手」として存在しています。

「キス」という行為が成り立っていないにも関わらず、そうであると錯覚してしまう…それはさながら、私たちのネットに対しての立ち位置を思い起こさせます。

きっと私たちは、ネットの使い方をまだ模索している段階です。

初めてテレビが家にやってきたとき、人は「箱の中に人が入っている!?」と驚いたと言います。今きくと笑い話ですよね。ただ、”箱の向こうに人がいる”ことについては、覚えている人と、忘れている人がいるような気がします。

ウェブは、自分の思ったままを発信できて、それを読む存在については考慮しなくても、多くの場合、不便しない世界です。

だから、自分の発信が多くの波紋を生むかもしれないことについては、まだ無自覚な人が多いのではないかと思っています。

そんな、ウェブの機能を持て余している現代を、この作品は浮き彫りにしているのではないかと。。。

まさに、トリエンナーレのテーマである「情」ですね

ちなみに、この手が3Dプリントでつくられていて、”最新の技術を求める人たちからすれば少し時代遅れ”なのも敢えて意図しているとのことで、興味深いです。

エキソニモから目が離せません

今私たちと切っても切り離せないウェブという存在に真正面からぶつかっていっているのがエキソニモです。

日々ウェブを使って一喜一憂している身としては、すごく現実味を伴って鑑賞できるアーティストさんであります。

(最後に、美術手帖でのインタビューがとても面白かったので引用させていただきます

日本のアーティストの傾向として、楽しませなければいけない、おもてなしをしないといけない、という傾向が強い感じがします。「おもしろいよ、難しくないよ、わかるでしょ」といったコミュニケーションが多いじゃないですか。

「美術手帖」インタビューより

↓↓↓美術手帖のインタビュー全文はこちら

1996年に結成された、千房けん輔と赤岩やえによるエキソニモ。インターネット黎明期から世界中のメディア・アーティストとコミュニケーションをしながら、人間と技術の関係を問う作品を発…
あいちトリエンナーレ2019